読書にめざめた男の備忘日記

読書の魅力に取り憑かれた男の備忘録兼、日記です。

ブラック企業などさっさと辞めろ!

はじめに

世の中にはびこる悪の組織、「ブラック企業」。
明らかに違法な労働時間、残業代の不払い、劣悪な労働環境、パワハラ、セクハラの横行。
これらが一般にブラック企業とされている企業の特徴です。
 
このような企業は、たまたま生き残っているだけに過ぎません。
特に、賃金の不払い等、社員の給料を違法に下げることで会社の資産を確保するなどという愚か極まりない行為に関しては、救いようがありません。
いつ、社員が会社を訴え、いままで不払いだった給料を請求してもおかしくない状況で
まともな経営ができていると思っているのであれば、それはもはや狂気の沙汰です。
 
 
複数の人間が関わり合う以上、その中にはルールが必要です。
ルールが無ければ、権力のある者が全てを支配することになってしまいます。
それがまかり通ってしまえば、立場の弱い人間はとことんこき使われ、それこそ
「人」ではなく「物」のように扱われます。
このような事は絶対にあってはなりません。
 
しかし、現実問題として「ブラック企業」と言うのは数多く存在しており、
あたかも、自分は黒ではないとでも言うように白白(しらじら)しく経営されています。
 
今回は、万が一ブラック企業に就職してしまった場合に、どんなマインドで企業と向き合うべきかをご紹介します。気持ちを整理することで、いつでも戦える体制を整えておきましょう。
 

安心してください。狂っているのはあなたではなく会社です.

もし、自分が就職した先が「ブラック企業」だったらあなたはどうしますか?
殺人的な労働時間、残業代の不払いが発覚したのなら、まずあなたはその会社に
危機感を抱いてください。この危機感を持つというのがとても重要です。
ブラック企業」に勤めている人は、たいていの場合その状況を黙認していることが多いからです。というのも、もし自分以外の社員達が会社の違法性に気づきそれに対して行動を起こしていたら、そもそも「ブラック企業」になるはずがないのです。
ブラック企業」とは会社のトップが黒いだけでは成り立たないのです。
そこに勤めている社員全員、あるいはそのほとんどが、違法行為に対して何の行動も起こさず見過ごしてきた結果できたのが「ブラック企業」なのです。
これは決して社員達が悪いと言っているわけではありません。いえ、責任が全くないとはやはり言えません。社員が悪いわけではないというのは、社員達は一種の洗脳を受けていると言えるからです。
 
社員達の多くは、生きていくためにお金が必要で、あるいはその会社の仕事に魅力を
感じて入社した場合がほとんどです。確かに、生きていくためにはお金は必要ですし、
必死に就職活動をして入社した会社を簡単に辞めることも難しいでしょう。
それに加え、日本人特有の、空気を読むという風潮が社員達の判断力を鈍らせて
いる要因にもなっています。
会社は、この日本人特有の弱みに付け入り、悪事を働いていくのです。
 
これを防ぐためには、やはり戦うしかないのです。会社のやり方に疑問を感じたのなら、すぐに調査を開始しましょう。調査をするというのは、悪事に対して決定的な証拠を残すことです。必ず証拠を入手してから戦うことで、あとから言い逃れができないようにする為です。これは、戦う前の準備になります。これを徹底して行うことで、いざという時の助けになります。
 
そして、戦う準備が整ったら、まずは穏便に、相談することから始めましょう。
相談をして問題が解決するならそれに越したことはありません。
しかし、それでも取り合ってもらえなかったり、アホみたいな言い訳をしてくる
ようなら、戦闘開始です。できるだけ多くの同志を募って、会社に抗議します。
この時、人数が多ければ多いほど有利になります。会社という組織は、個人で戦うには
とても不利です。できるだけ多くの協力者を集めることで、ようやく対等以上に戦えます。
会社は社員によって支えられている為、多くの社員が協力することで会社に危機感を与えるのです。
そうすれば、会社側も改善せざるを得ません。
 
もしここまでやってもダメなら、労働基準監督署などに相談してみましょう。
法律に基づいたアドバイスを受けられるかもしれません。
 
長くなりましたが、ここで最も重要なのは、悪事を許さないという姿勢を持つことです。
それは、冒頭で申しあげました危機感を持つということに他なりません。
明らかな違法行為を一つでも見つけたのなら、その時点で会社に対して危機感を持つ
ようにしましょう。危機感を持って仕事をすることで、会社の異常性にいち早く気付き
それに対する行動を起こすことができます。しかし、危機感を持たなかったら、異常性に気付く前に、会社に飲み込まれてしまうでしょう。飲み込まれるというのは、会社の空気に流されたり、上層部の権力に委縮してしまうことです。
そうならない為にも、違法行為を見つけた段階で、「この会社はおかしい」と思わなくてはなりません。
 
大丈夫、あなたがおかしいと感じている事の多くは、他の人もおかしいと感じていることが多いです。
あなたとその人との違いは、それを放っておけるか、おけないか。それだけのことです。
実際には、心の中で思っている事を言えないだけなのですが。戦うことは敵を作ることでもあります。人間誰でも、面倒な戦いは避けたいものですからね。
でも、そんな我慢をいつまでも続けられるとは私は思いません。おかしさに気づいているのにそれを解消できないのはとてもストレスがかかるからです。その我慢もいつかは限界を迎えるでしょう。限界になって爆発させるより、今の現状を客観的に見て冷静に対処するようにしましょう。
その為には、おかしい事はおかしいとはっきり割り切ってしまうことです。
おかしさの基準は法律から逸脱しているか否かです。
しかし、多くの人は(私も含め)労働基準法などの法律を完全に知っているわけではありません。
何が、違法で、合法なのか、判断しかねるなと思った時は、ネットで調べるなり本を読むなりして知識を得るようにしましょう。それもまた、一つの武器となります。というより、法律をしっかり調べる前に、「あれは違法だ」と決めつけるのは愚かな行為と言えます。
おかしいと思ったなら、それが法律的にもアウトなのかグレーなのか、それをしっかり見極めた上でなければ、思わぬ反撃にあって返り討ちなんてこともあり得ますからね。
こちらにもこちらの言い分があるように、会社にも色んな事情があるんだという認識は必ず持つようにしてください。
その上で、会社がやっぱり違法な行為をしていると分かったら、逃げずに戦いましょう。
その勇気が、あなたにとっても、会社にとっても良い選択になることでしょう。
 
安心してください、狂っているのはあなたでは無く会社です。
自信を持って、自分の意見を主張しましょう!
 
 

おわりに

昨今では、「働き方改革」という言葉が世間をにぎわせています。
これは、某、日本の大手広告代理店の社員が過労死してしまったという惨憺たる
事件が起きてから、よく耳にするようになりました。
 
果たして、この改革が日本の企業にどんな変化をもたらすのかは、まだ分かりません。
ただ一つ言えることは、日本の企業の改革も大切ですが、私はそれ以上に、一人一人が
しっかりと自分の意見を主張する勇気を持つことの方がよっぽど重要だと思っています。
それは、簡単に言えば自己改革です。会社を変えるのではなく、自分の意識を変えるという事です。
政治でもなんでも、大きな物を動かすのには、とにかく時間がかかります。
日本はこの数年間で、一体何が変わったのでしょうか?自分の生活を振り返ってみて
ください。この一年間で、自分の生活の何が変わりましたか?私はほとんど何も変わっていません。正確に言うと、私自身の行動によってもたらした事以外では、ほとんど何も変わっていないのです。逆に言えば、自分の行動によって起こした変化はたくさんあります。
だから、会社の改革や日本の法律が変わるのを待つより、自分が変わってしまうのが一番効果があるのです。もちろん、自分の力ではどうにもならないことも、多少はあるとは思います。
それでも、変わるかどうか分からない物を待つくらいなら、自分の意識を変えてしまった方が早いですし、会社に依存しないという点でも有意義だと思います。
自分の変化は、会社を辞めても効果を持ちますが、会社の変化は会社にいるうちしか、意味を成しません。
そういう意味でも、「働き方改革」より「自己改革」をする方がよっぽど合理的です。
その為には、色んな人の価値観に触れることが大切です。
自分の価値観だけで生きていては、新しい発見はなかなか見つかりません。
色んな考えに触れて、それを自分の中で精査し磨いていくことで、新たな価値観として自分の中に取り込むことができます。
それらの情報は、本であったり、インターネットであったりで十分手に入ります。
本を買うなら分厚いビジネス書や実用書でもいいですが、私は金銭面を考えて、100円から500円くらいの新書を何冊も買って読んでいます。
お金があまり無いという人でも、十分情報に触れることができる世の中です。
この情報を有効に使って、自身の成長に役立ててみてください。
 
そして本当に追い込まれた時には「逃げる」という選択も重要だと思います。
自分が追い込まれて、精神的にがんじがらめになってしまっている状況では、適切な判断を下すのが難しくなっていると思います。その状況を打開する方法の一つは「逃げる」ことです。
最近、はやったドラマで「逃げるは恥だが役に立つ」という星野源さんと新垣結衣さんが主演のドラマがありますが、私はこの題名にとても共感しています。
たしかに、「逃げる」というのは恥ずかしいことです。特に日本の社会においては、「逃げる」という行動に対して異常な反応を示す人も多いです。特に、会社をバックレたりすると「社会人として終わってる」と皆、口を揃えて言います。しかし、そんな事を言われたところで気にする必要はありません。
ただ、自分の価値観に従って行動したまでだと言いきってやりましょう。
自分は、会社の為に生きているのでは無いと、会社に殺されると思ったから逃げたまでだと。
バックレた人に対して、グチグチ言うような人間は自分の価値観が全てだと思っているバカだと思っていいでしょう。実際には、自分の価値観ではなく世間一般の常識にとらわれているだけということにさえ気づいていないのでしょうが。他人が逃げたからなんなのでしょうか?
それで自分の負担が増えるというのなら、自分がやり方を変えればいい。
他人に依存している生活がずっと続くと思っている時点で愚かなのです。
そんなバカの言うことに耳を貸す必要はありません。
 
逃げたくなったら逃げましょう。逃げるのもまた、勇気のいることなのですから。
 
ただし、「逃げる」というのは多くのリスクを孕んでいることも忘れてはいけません。
会社をバックレるというのも、次の就職先を探す上ではかなりのリスクを背負うことになります。
そのリスクを十分に理解した上で、バックレるのならそれは、戦略的な撤退と言えるでしょう。
一応言っておくと、会社をバックレると「懲戒解雇」という扱いになることがあります。
この「懲戒解雇」という扱いになってしまうと、再就職をする際にとても苦戦することになります。
「懲戒解雇」の詳しい説明は、私より専門家の意見を聞く方がいいと思いますので、ここに書くのは控えさせていただきます。ネットで「懲戒解雇」と調べればいくらでも情報が出てきますので、そちらをご覧ください。
 
最後になりますが、日本人にはどうも、必死に働く事を美徳とする風潮があるようです。
確かに、必死に働いて初めて得られる感動もあるでしょうし、その報酬として得られる
対価は何物にも代えがたいものであるとも言えるでしょう。
しかし、その必死さが、本来の自分がもっている感性を殺してしまっているように思えて仕方ありません。言いかえれば、真面目すぎるのです。
でも、本当に真面目な人とは、あらゆる事に疑問を持ち、おかしいと思えばそれを変えようとする、いわば「本質を見失わない人」だと思います。
 
今、自分はなんの為に働いているのか?
 
ただ奴隷のように働いているだけなら、それはもはや「生きながらにして死んでいる」のと同じではないでしょうか?
自分の意思で行動した時にこそ、自分の存在価値が生まれるのではないでしょうか?
 
 
MAEJI